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有権者には見せられない候補者の実像

2010/06/19 01:11

 

・・・。・・・。

連日、参院選取材と原稿執筆で疲労困憊の不肖・安岡。

今日は都庁にて立候補予定者の記者会見、

朝から夕方まで5連発でした。

 

それにしてもさすが東京選挙区。ユニークな方が多かった。

基本は選挙名鑑を作成するためのデータを集めるだけなのですが、

メチャクチャ疲れたのはなんでだろう? ・・・。

その理由は、選挙が終わってからお話ししましょう。

 

東京選挙区は改選5に対し、候補者は全員で25人くらいになりそうです。

 

社で群馬県版をのぞき込むと、立候補予定者はたったの3人でした。

定数も1。

すごい楽なんだろうな、とうらやましくもあります。

京都の舞鶴支局京丹後通信部時代に京都総局がメチャクチャ忙しそうにしているのに、

私のところは何もしなくてもよかったことが思い出されます。

でも、することがないっていうのはなんか悔しかったですね。

 

だから忙しくもあるけどエキサイティングな東京選挙区の大部分を任されているのはとてもありがたいことなんですね。

 

 

前置きが長くなりましたが、本題。

選挙報道は各社似たり寄ったりです。

だいたいパターンがあって、それにそって進められることが多い。

 

たとえば公示前は各政党の戦い方などを紹介する情勢原稿。

公示日は候補者の第一声と有権者の声。

翌日からは候補者の人となりを伝える「横顔」とか「プロフィール」とか呼ばれる記事。

次は政策について賛否と理由を示してもらう政策アンケート。

投票日が近づくと、世論調査にもとづく情勢分析。

最後が投票日、明暗分かれる候補者らの姿。

 

とまあ、だいたいこれが黄金パターンなのです。

 

それで、候補者への政策アンケート、

これは候補者に執筆してもらわないと新聞に載せられない。

(あくまで建前で、多くの場合、秘書や選挙参謀が代筆をしています)

 

 

 

公職選挙法の規定で公示後はメディアは候補者をできるだけ公平に扱わなければなりません。

だから、アンケートを書いてくれない候補者、これが一番困るんです。新聞が出せなくなるからです。

 

議員も報道も、民主主義を実現するために活動している点では同じ。

議員は国民を幸せにするために法律をつくる。

メディアは国民のしる権利に答える。

目的は同じなわけです。

 

しかし、べつに新聞が選挙特集を組んでたって協力しないといけない法律はない。

だからわたしたち記者は

陣営すべてを回って頭を下げて「すみませんが、いついつまでにお願いします」と頼むわけです。

 

忙しいのは分かっていますが、こっちだって時間で動いている身。

こちらで締め切りを設定するのもなんか悪い気もするのですが、

向こう側が「わかりました」と言ったなら、それは大人と大人の約束です。

 

 

なのに、感覚で言って半数の候補予定者が期日までに回答をよこしてくれないという現実があるのです。

「私を為政者にしてください」という候補予定者がそんなことでいいのでしょうか?

人と人との約束を軽んじる人間が国民を幸せにできるんでしょうか?

 

 

新聞記者が思い上がって「ちゃんと出せや、ゴルァ!」と言っているのでは決してありません。

アンケートを回収するために、締め切り前には電話をかけて、

回答をいただいた陣営にはお礼の電話を入れて、

締め切りを守ってくれない陣営には再び電話を入れて、

ときには事務所を訪問して催促し、またお願いして・・・。

お願いする立場なりに「三顧の礼」は尽くしているつもりです。

 

今回も、締め切りを5日過ぎて、何回催促しても出してくれない陣営が2つあります。

 

400字でお願いしているのに50字しか書いてこなかったり、

賛否の理由を示してくださいと書いているのに、まったく示さなかったり、

挙げ句の果てには「時間がない。精一杯やったのでこれでやってほしい」と開き直ったり・・・。

 

「今日中にお願いします。回答いただけないと私も帰れないので」

とお願いしたのに、「出せない」と連絡もよこさずに帰ってしまったり・・・。

 

その陣営の名前を世界の中心で叫んでやりたいところですが・・・。

 

そして丁寧な文字で速やかに回答を寄せてくれた候補予定者は「この人に入れたって!」と大宣伝したいところですが、

さすがにそれはできません。

 

 

そんな陣営の方にこれだけはいいたい。

私だって東京選挙区で暮らす有権者なんですよと。

 

それ以上はいわないけど、分かりますよね?

 

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コメント(10)

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2010/06/19 04:42

Commented by 鈴木 茂 さん

 おはようございます。

 記者さんは、どうしても、報道という使命感が強く、国民の代表であるという意識で取材を申し込まれているのでしょうが、こう言っては失礼ですが、取材される側が、それほど報道を国民の代表と考え、信頼、重視しているかどうかは微妙ですね。
 それが態度となって表れるのかもしれません。
 
 東京に報道機関がいくつあるかは私には分かりませんが、そのすべての報道機関が、それぞれに取材を申し込んだとすれば、すべてに対応しきれず、取捨選択することもあるのだろうと私には思えます。

 ただ、報道の公正さとは、必ずしもすべての候補者の意見を並べる必要はなく、すべての候補者に同じ質問をした時点で満たされているのではないでしょうか。

 同じ質問をしたにもかかわらず、異なる対応、異なる答えが返ってくることこそ、自己主張であり、自己責任ではないでしょうか。

 それを事実として、あるがままに報道し、有権者の判断材料とすれば、公正な報道であると私は思っています。


 いわゆる、機会の平等は公平公正でしょうが、結果の平等まで求めるのは、一見、公平に見えますが、民主的ではありませんね。

 結果が違うから、取材の意味があるのではないでしょうか。

 横並び談合記者クラブの指針に洗脳されてはいけません。
 新聞記者も新聞社も、自分自身で考え行動することが大切です。
 もちろん、意識的な偏向は論外ですが、公平公正を期しても、内容によっては、批判がついて回り、自己責任も問われるでしょうが、それこそが記者魂でしょう。

 と私は思っています。

 
 

2010/06/19 08:41

Commented by kawa さん

物事を人に頼む難しさ。思うようにはいきません
私だって東京選挙区で暮らす有権者ですよ。
私との約束守ってくださいね。
大声で叫びたいですよね  お仕事頑張って

 
 

2010/06/20 01:40

Commented by マハロ今井 さん

政治家は?、秘書の人たちは、広報をしようと思ってなから
マスコミへの対応の準備をしていないのでしょうね。

新聞社からのアンケートの時期が重なる。
同じ質問に見えて、真剣に答えようとして、
改めて質問を見ると、微妙にニュアンスが違う。
企業内の広報の時、苦労しました。

広報にまかせるよ、なんて役員はいいますが
何か起こったら、絶対、広報の責任になるなと。。。

選挙中であれば、時間がないのが実際でしょうね。

でもね、全社答えないということは、ないですから
産経新聞の購読者は、産経新聞の購読者の国民は無視、ということ。
これは文句言ってもいいですね。
紙面で訴えたら、面白いと思う。

企業内の広報の時は、全社に回答しましたよ。

 
 

2010/06/21 06:44

Commented by 佐々木正明 さん

 われわれはプロですから、紙面に載るときは完全商品を作らなければなりません。ましてや国民の生活を左右する選挙報道はなおさら。確認の上、確認、また、確認です。
 泣き言はなしよ、それが報道のプロ、とも言いたいところですが、有象無象の情報が飛び交うネットメディアに圧される形で、新聞業界は衰退が叫ばれています。
 しかし、紙面を作る上で安岡記者がこうして一日中、奔走しているように責任を持って読者に信頼ある情報を届けているのをどうかわかってほしいとも感じます。
 これは決して身内びいきではなく、朝日、毎日、読売、日経、共同通信、時事通信などの他社の記者たちも、あまり目立ずとも地道な作業を日夜、続けているのです。

 
 

2010/06/21 12:36

Commented by mochizuki さん

安岡一成様 佐々木正明様 

 (産経の)新聞記者の立場に捉われた気持ち、感情で取材していると、政治家の本音を見抜く記事を書くことは不可能ではないでしょうか…。

 そこで、「しかし、紙面を作る上で安岡記者がこうして一日中、奔走しているように責任を持って読者に信頼ある情報を届けているのをどうかわかってほしいとも感じます」といわれても、読者に信頼ある情報とは如何なる内容の情報で記者の方々が担っている責任とは何かという気持ち、感情を、産経の新聞記者の立場になって見抜けなければ、分りませんよね、たぶん。

 
 

2010/06/21 21:22

Commented by 安岡一成 さん

To 鈴木 茂さん
初めまして。ご訪問どうもありがとうございます。

報道は大変、大変、しんどい仕事です。
自分の仕事が国のために、国民のためになっていると信じて、
使命感を燃やさなければ、続けられるものではないと思います。
少なくとも、私はそう思ってやっています。

そして、その意識が取材対象からは理解されないことが多いことも分かっています。

とはいってもメディアも玉石混淆ですからね。。。
ご指摘もよく理解しています。

「人の不幸で飯を食ってる賤業なんだから、せめて礼儀正しくしろ」
なんていわれたこともあります。よ~く分かっているつもりです。
切り捨ての対象にならないように、努力しているつもりです。



> ただ、報道の公正さとは、必ずしもすべての候補者の意見を並べる必要はなく、すべての候補者に同じ質問をした時点で満たされているのではないでしょうか。

以下のご指摘には、ほんとうに、諸手を挙げて賛意を表します。

候補者がこれでいいって言ってるんだから、
400字のところ50字しか書かずに新聞に空白ができたって、
賛否の理由を示さずに空白ができたって、
サイアク無回答であったって、それは候補の責任だぁ~~~~~!

と世界の中心で叫びたいのが本音です。
でもそこは、佐々木先輩のご指摘の通りで、我々は報道のプロ。
候補者の言い分を並べるのが新聞ですから、そのための努力を最大限がんばるわけです。



> 結果が違うから、取材の意味があるのではないでしょうか。

これについても本当にその通りだと思うんですが、
ゼロ回答の候補の欄が白紙になった紙面が出た場合、
候補者が納得してても、支持者が納得しないケースが多いのです。

そこで「言った」「言わない」の世界になるので、
ゼロ回答の候補者には念書を一筆書いてもらう必要がでてきます。
ここまでくると、そこまでメンドクサイことになるなら、と応じる候補者がほとんどです。




> もちろん、意識的な偏向は論外ですが、公平公正を期しても、内容によっては、批判がついて回り、自己責任も問われるでしょうが、それこそが記者魂でしょう。


おっしゃるとおりです。それで何度も上にかみついては損ばかりしています。

 
 

2010/06/21 22:34

Commented by 安岡一成 さん

To 佐々木正明さん
ありがとうございます。
東京選挙区には現在のところ25人が出馬表明しています。
調査票集め、名鑑作成、確認作業はすべてわたしが行い、
担当候補は20人ですから、本当にしんどい日々ですが、
選挙は好きなので、あまり苦にはならないのかもしれません。
これが高校野球とか春高バレーになるともう全然ダメです。


新聞はなかなかミスをしないメディアという認識が強いと思います。
これは長い歴史の中で先輩が作り上げた文化であり、誇りでもある。
それを守る1人として地道な作業を続けていきます。

明日からの企画3連発、ご期待ください。
選挙の記事にツイッターバンバンでてくるのは今回の選挙が初めてですよね。
つぶやきをガンガン紹介してますよ。

 
 

2010/06/21 22:38

Commented by 安岡一成 さん

To kawaさん
ありがとうございます。
借金取りのように陣営に電話をかけて催促することから新しい週が始まりました。
回答しだいでは「ナニワ金融道」みたいに「追い込み」が必要かな、なんて思っていましたが、なんとかメドがつきました!
陣営の言葉を信じるなら、明日にはすべてそろう見込みです。

今回はアンケートの仕方に少し工夫をしましたので、どうぞ公示後の紙面にはご期待ください。

 
 

2010/06/21 22:55

Commented by 安岡一成 さん

To マハロ今井さん
>でもね、全社答えないということは、ないですから
>産経新聞の購読者は、産経新聞の購読者の国民は無視、ということ。
>これは文句言ってもいいですね。
>紙面で訴えたら、面白いと思う。

本当にそう思います。
なぜそれが一部の候補者には分かっていないのでしょう。

それと、新聞業界への誤解もあると思います。
分かりやすい言葉で簡潔な記事がたくさん新聞にはのっていますが、
わかりにくい言葉でだらだらと書くことの方がどれだけ簡単なことか。

それから、昨日あったことが翌日朝には家庭に届くわけですが、
編集作業はチョイチョイとできるものではありません。

新聞を出すのにはコストがかかり、記者が命を削って書いている。
情報はタダではないのです。

こんなことは、わたしも新聞社に入るまで分からなかったことです。

 
 

2010/06/21 23:09

Commented by 安岡一成 さん

To mochizukiさん
ありがとうございます。
取材において取材対象者との距離の取り方は相手によって様々だと思います。
懐に入った相手の場合は本音がよくわかるし、
距離を置いている人のはそれなりに、といったところでしょうか。


候補者がアンケートに答えてくれないという話しは、記者側からすれば佐々木さんのおっしゃるとおり、完全に「泣き言」です。
決して紙面には出しません。

しかし、ここは記者ブログで、紙面の舞台裏をチラ見せする場として、
記者の本音や悩みも紹介しています。

今後も醜態をさらすかもしれませんが、どうか叱咤激励をお願いします。

 
 
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